米国:露骨な法の抜け穴利用

 「製薬会社アラガンがニューヨークのモホーク・ネィティブ・インディアンの部族政府に特許売却。」

なんだそれ?

これはアラガン社が現在販売中の薬に使用している特許が棄却される恐れのある特許審査を避ける為の売却のようでした。 

始まりは2016年にジェネリック大手のマイラン製薬が、アラガン社のドライアイ用製品レスタシスに使用されている複数の特許が無効ではないかという訴えを起こしたことで、特許審査が行われていました。

無効となると、アラガン社は、この年間売上15億ドル(2016年)、日本円で1,650億円(1ドル110円計算)の製品のジェネリックを他社に販売され、売りあげを持って行かれる可能性がありました。 

2017年9月8日アラガンはモホークインディアン政府に権利を移転した(いくらで売ったかは知りません)と発表。

部族政府には主権免除というのがあり、特許庁の審判から免除されます。特許庁はもうそれ以上審査できません。 

ちなみに、アラガン社はインディアン政府に一時金1,375万ドル(13億7500万円+1億3750万円)を支払い、独占使用権を得ています。ライセンス料は毎年部族政府に1500万ドル(16億5千万円)を支払います。 

それでも他社にジエネリック製品を販売されるより得なのですね。 

また、今のアラガン社は、アメリカのアクタバスという製薬会社がアイルランドに本社のあるアラガン社を買って本社をアイルランドに移し、社名をアラガンとしたものです。アイルランドの方がアメリカより企業にかかる税金が安いのです。